多焦点ソフトコンタクトレンズMiSight(マイサイト)による近視進行抑制
当院では、お子さまの近視進行を抑制する多焦点ソフトコンタクトレンズ(マイサイト)を取り扱っております。
MiSight 1Day(マイサイト ワンデイ)は、近視の進行を抑制することを目的として開発された1日使い捨てのソフトコンタクトレンズです。視力を矯正しながら同時に近視の進行を緩やかにする効果が臨床試験で示されており、成長期のお子さまに適した治療選択肢のひとつです。
MiSight(マイサイト)とは
MiSight 1Day(マイサイト ワンデイ)は、クーパービジョン社が開発した小児の近視進行抑制を目的とする1日使い捨てソフトコンタクトレンズです。
日本では2025年8月時点で、「近視の視力補正および進行抑制」を効能・効果として厚生労働省から承認を受けた唯一のコンタクトレンズであり、2026年2月より国内での販売が開始されました。
通常のコンタクトレンズが「ピントを合わせる(視力矯正)」ことだけを目的とするのに対し、マイサイトは視力矯正と近視進行の抑制を同時に行う「多焦点ソフトコンタクトレンズ」に分類されます。
マイサイトの仕組み
マイサイトは「デュアルフォーカスデザイン」と呼ばれる独自のレンズ設計を採用しています。レンズの中心から同心円状に、近視を矯正するための「屈折矯正ゾーン」と、近視進行を抑制するための「トリートメントゾーン」が交互に配置されています。
近視の進行には、周辺部の網膜に光が網膜より後方で焦点を結ぶ「周辺部遠視性デフォーカス」が関与していると考えられています。トリートメントゾーンを通過した光は網膜よりも前方で焦点が合う(近視性デフォーカス)よう設計されており、この光学的な刺激が眼軸(目の前後方向の長さ)の伸長を抑え、近視の進行を緩やかにすると考えられています。
つまり、日中レンズを装用しているだけで、見ることと近視進行の抑制を同時に行うことができます。
期待できる治療効果
MiSight® 1dayは世界の臨床試験によって、その安全性と効果が確認されています。調節麻痺下における他覚的等価球面度数の変化量を指標とした場合、装用開始から1年目で平均69%、3年間の国際無作為化比較試験(Chamberlain et al., 2019)では、近視の進行を約59%、眼軸長の伸びを約52%抑制したことが報告されており、近視治療の選択肢のひとつとして注目されています。
ただし、抑制効果には個人差があり、すべての方で同じ結果が得られるわけではありません。近視の進行を完全に止めるものではなく、「進行を遅らせる目的とした治療」であることをご理解ください。
マイサイトの特長と注意点
マイサイトの特長
- 1日使い捨てで衛生的・扱いやすい
毎日新しいレンズを使用するため、レンズの洗浄や保存液によるお手入れが不要です。初めてコンタクトレンズを使うお子さまにも取り扱いやすい設計です。 - 強度近視の方にも対応
製作可能なレンズ度数は-0.25D〜-10.0Dと幅広く、強度近視の方にも使用できます。夜間装用型のオルソケラトロジーは通常-4.0D程度までが適応の目安となるため、強度近視でオルソケラトロジーが使えない方にもマイサイトは有力な選択肢となります。 - 日中装用なので生活リズムを選ばない
起きている間に装用するタイプのため、就寝中に装用するオルソケラトロジーとは異なり、睡眠スタイルを問わず使用できます。
使用にあたっての注意点
- 自由診療(保険適用外)となります
マイサイトによる治療はすべて自費診療です。低濃度アトロピン点眼液やオルソケラトロジーなど他の近視進行抑制治療と比較すると、費用が高くなる傾向があります。 - 乱視矯正モデルがありません
現時点では乱視矯正(トーリック)タイプのラインナップがないため、乱視が強い方では装用しても十分な矯正視力が得られない場合があり、治療の適応とならないことがあります。 - 夜間にハロー・グレアが生じることがあります
多焦点レンズの特性上、暗い場所や夜間に明るい光を見た際に、光の周囲に輪がかかって見える「ハロー」や、光がにじんで見える「グレア」を感じることがあります。多くの場合は装用を続けるうちに慣れていきますが、症状が強い場合には装用を中止します。
装用方法
マイサイトは日中の起きている間に装用するコンタクトレンズです。就寝前には必ず外してください。
初めて装用する場合は短時間から始め、徐々に装用時間を延ばしていきます。近視進行抑制の効果を十分に引き出すためには、1日10時間以上・週6日以上の継続装用が推奨されています。
装用中に目の充血・痛み・かすみ・強い異物感などの症状が現れた場合は、ただちにレンズを外して当院までご相談ください。
当院では3ヶ月に1回の定期検査を行い、目の状態とレンズの度数を確認しながら治療を継続します。
治療の流れ(視能訓練士のサポート)
視能訓練士が「自分でできた!」を全力でサポートします!
- 1 適応検査・眼軸長測定
- 調節麻痺下の検査(2日程、まぶしさ等ぼやける事があります)
視力だけでなく、眼軸長測定装置を用いて精密に検査します。
- 2 トライアル装用
- 実際にレンズを装用し、見え方やフィッティングを確認します。
- 3 装用練習
- 視能訓練士とお子様が1対1で、つけ外しの練習を行います。
- 4 治療開始
- 5 定期検診
- 1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後…と経過を観察します。
料金案内
- マイサイトは健康保険の適用外となり、すべて自費診療となります。
- 税込
| 初回適応検査 | 5,500円 |
|---|---|
| 診察費用 ※ | 5,500円 |
※ 治療中は3ヶ月に1回の定期検査を行い、1回あたりの診察費用は上記の通りです。
予約について
「コンタクトレンズ処方希望の方」よりご予約が可能です。
よくあるご質問 ~Q&A~
Q: 何歳から治療を始められますか?
10歳から使用可能です。(コンタクトレンズの着脱・管理をご自身で行える年齢が目安となります。)
Q: 装用中に痛みや違和感はありますか?
ソフトコンタクトレンズのため、強い痛みを感じることはほとんどありません。装用直後にわずかな異物感を覚えることがありますが、通常は時間とともに慣れていきます。
Q: オルソケラトロジーとどちらを選べばよいですか?
オルソケラトロジーは就寝中に装用し、日中は裸眼で生活できるレンズです。一方、マイサイトは日中装用のコンタクトレンズです。お子さまの近視度数・生活スタイル・年齢・レンズ管理能力などを総合的に判断し、最適な治療法をご提案します。どちらが合っているか迷われている場合は、お気軽にご相談ください。
Q: 通常のコンタクトレンズとの違いは何ですか?
通常の近視用コンタクトレンズは視力矯正のみを目的としており、近視の進行を抑制する効果はありません。マイサイトは視力矯正に加えて近視進行の抑制も行う多焦点コンタクトレンズです。また、通常のコンタクトレンズ診療は保険適用ですが、マイサイトによる治療はすべて保険適用外となります。
Q: いつまで治療を続ける必要がありますか?
近視は成長期(概ね20歳頃まで)に進行しやすいため、その期間を通じて継続することが望ましいとされています。治療継続の必要性については、定期検査のたびに目の状態を確認しながら医師と相談のうえ決定していきます。
当院では、お子さまの目の状態や生活環境をしっかりとお伺いしながら、丁寧にご説明・ご提案いたします。近視の進行でお悩みの場合は、どうぞお気軽にご相談ください。

















